無伴奏Δ組曲 chihiroブログ

無伴奏Δ(デルタ)組曲 というユニットで脚本書いてます。

母と僕

 

母「髪切ってくるわ」

 

僕「うん」

 

母「……」

 

僕「……」

 

母「……」

 

僕「……え、なに」

 

母「どのぐらい切るの?とかないの?」

 

僕「え、別に」

 

母「お母さんにもっと興味持ちなさいよ」

 

僕「……どのくらい切るの」

 

母「前髪パッツーンいっちゃおうかなと思ってる」

 

僕「へぇ」

 

母「……」

 

僕「……」

 

母「いいんじゃない!

    ぱっつん似合うと思うよ!とかないの?」

 

僕「ない」

 

母「似合わない!?」

 

僕「もーめんどくさいなぁ」

 

母「(ガン見)」

 

僕「……似合うと思うよ」

 

母「ガッキーみたいにしようと思って」

 

僕「え?」

 

母「前のドラマでパッツンの時あったじゃない」

 

僕「……」

 

母「その歳でガッキーはないでしょ!とかないの?」

 

僕「言ってほしいの?それ?」

 

母「(ガン見)」

 

僕「その歳でガッキーはないわ〜

      いくつだと思ってんだよ」

 

母「一言多い」

 

僕「なんだよ」

 

母「じゃ、行ってくるわ」

 

僕「……」

 

母「(ガン見)」

 

僕「行ってらっしゃい!!!」

 

悩める2人

 

わたる「大きくなったら何になりたい?」

 

ともや「うーん」

 

わたる「サッカー習ってるよね?」

 

ともや「習ってるよ」

 

わたる「じゃあ将来はサッカー選手?」

 

ともや「いや、ぼくサッカー好きじゃないんだ」

 

わたる「そうなんだ」

 

ともや「ママがサッカー選手だからさ、流れでサッカーやることになっただけで」

 

わたる「そうなんだ」

 

ともや「パパは野球選手だからさ、今度野球チームにも入ることになったんだけど」

 

わたる「野球は好きなの?」

 

ともや「あんまり」

 

わたる「…つらいね」

 

ともや「つらい」

 

わたる「本当は何になりたいの?」

 

ともや「ハープ奏者」

 

わたる「…ん?」

 

ともや「ハープ奏者」

 

わたる「はーぷそうしゃ?」

 

ともや「ハープだよ、楽器の」

 

わたる「パッと思い浮かばないんだけどどんな楽器だったっけ?」

 

ともや「こういう(演奏の真似をする)」

 

わたる「よくわかんないなぁ…」

 

ともや「前に演奏会に行った時に見たハープ奏者の人がすごくかっこよくてさ〜」

 

わたる「なるほど…」

 

ともや「たけるは?」

 

わたる「ん?」

 

ともや「何になりたいの?」

 

わたる「うーん」

 

ともや「やっぱり政治家?」

 

わたる「いや、僕政治とか興味ないんだ」

 

ともや「そうなんだ」

 

わたる「パパが総理大臣だからさ、よくそういう質問されるんだけど」

 

ともや「そうなんだ」

 

わたる「ぼくはクリーニング屋さんかな」

 

ともや「なんで?」

 

わたる「アイロンかけるの好きだから」

 

ともや「なるほど…」

 

わたる「うん」

 

ともや「…うん」

 

わたる・ともや「…はぁ」

 

 

 

いつも通る歩道橋にて 2

 

猫「よっ」

 

私「おう」

 

猫「太った?」

 

私「うるさい」

 

猫「足首そんな無かったっけ?」

 

私「あんたに言われたくないね」

 

猫「わたしは幸せ太りだから」

 

私「どーでもいいわ」

 

猫「もっとヒールある靴履きなよ、スニーカーばっかり履いてるから足首なくなるんだよ」

 

私「しつこいね」

 

猫「野良はしつこくてナンボ」

 

私「そうなの?」

 

猫「通りかかった人に可愛いアピールをしつこいほどする、何かくれるまでしつこいほどする」

 

私「たしかにね」

 

猫「でもおまえ残ったパンちぎってちょっとしかくれないけどな」

 

私「最近よく会うけどどうした?」

 

猫「話かえるにゃ」

 

私「暇なの?」

 

猫「会いにきてやってんだよ」

 

私「え、そうなの」

 

猫「うそぉ〜」

 

私「可愛くないやつ」

 

猫「にゃ♡」

 

私「可愛くないよ」

 

猫「にゃー♡」

 

私「だから可愛くないて」

 

猫「にゃーにゃー♡」

 

私「急ににゃーにゃーやめ…」

 

猫「にゃーにゃーにゃー」

 

私「え…もしかして…」

 

猫「にゃーにゃー、にゃーーー」

 

私「……」

 

猫「うそぉ〜」

 

私「やめろ!」

 

 

いつも通る歩道橋にて

 

私「あ、」

 

猫 「お、久しぶりじゃん」

 

私「こっちのセリフだよ、最近どこにいるの」

 

猫「いやさぁ、うんめぇcat foodくれるメンズがいて、最近はそっちにばっかりいる」

 

私「ふーん、てか相変わらずキャットフードの発音腹立つね」

 

猫「おまえ残ったパンたまにくれるぐらいだからよぉ」

 

私「それはごめんて」

 

猫「それはべつにいいんだけどさ」

 

私「なに」

 

猫「そのメンズよ」

 

私「かっこいいのか」

 

猫「芸能人でいうとねぇ」

 

私「おぉ、」

 

猫「マツケンみたいな」

 

私「おお!いいじゃん!銭ゲバ

 

猫「サンバのほう」

 

私「おじさん好きなんだ」

 

猫「にゃひひ」

 

私「初耳」

 

猫「猫だけに」

 

私「ん?」

 

猫「ん?」

 

私「……ん?」

 

猫「もうすぐマツケン帰ってくるからいくわ」

 

私「おう」

 

猫「またにゃ」

 

実家の近くの眼鏡屋

 

 おばあちゃん  「すみません」

 

 店員                「はい」

 

 おばあちゃん 「いい眼鏡を探してるんだけど、前に接客してくれた方いるかしら」

 

 店員                「えーっと、名前とか覚えてます?」

 

 おばあちゃん  「あ〜名刺貰ったんだけど無くしちゃったのよ」

 

 店員                 「では、どんな感じの人でしたかね?」

 

 おばあちゃん  「ん〜眼鏡をかけてて、こうスーツをビシッときてて

                          あなたみたいな髪形で……」

 

 店員さん          「……とりあえず今日いるのをみんな連れてきますね」

 

そう言って店員は3人の男性店員を連れてきた

 

おばあちゃんは悩んだ挙句

 

 おばあちゃん 「ん〜あなたでいいわ」

 

と、はじめに話しかけた店員に接客をお願いした

 

 

眼鏡屋の店員=眼鏡をかけている

 

これはほとんどの眼鏡屋がそうだと思う

 

ただ、実家の近くの眼鏡屋はそれだけじゃなくて

 

見た目が全く同じなのだ

 

クローンで作られた店員なのかもしれない

 

男性全員スーツ、これはわかる、でも、

 

みんな背が180くらいで細型

 

髪型の分け目も同じ左分け

 

顔も一度見ただけじゃ覚えられないような平たい顔

 

意図的にそうしてるのか、たまたまなのか……

 

 

ちなみに見た目は全く同じでも

 

語尾がへんなあがり方をする人や

 

鼻に付く喋り方をする人など

 

皆それぞれに中身は癖が強い